レポート
2019.03.16

川の国・埼玉から海の未来を考える 県水環境課インタビューより

普段、当たり前のように食べている海鮮物。

それがいつか、そう遠くない未来に我々の食卓から消えるかもしれません。

魚たちが住む海が危険な状態に晒されています。

 

海が抱えている環境問題

今、海で何が起きているのか、埼玉県環境部水環境課・田中課長に話を聞きました。

田中さん「最近、海が抱える問題として、マイクロプラスチック問題、

海洋プラスチックごみ問題がニュースや新聞の紙上を賑わせています。

世界では毎年800万トンものプラスチックごみが海に流れ込んでいるとされていて、

何も対策を採らない場合には、2050年には、海に棲む魚の量を上回るとされています。

特に、直径が5ミリメートル以下のマイクロプラスチックは、

海だけでなく、河川の水や魚をはじめとする生き物の体内からも見つかっています。

このマイクロプラスチックは、ポリ塩化ビフェニール、

いわゆるPCBなどの有害化学物質を吸着しやすい性質もあるため、

人を含めた生態系への影響が心配されています。」

埼玉県と海洋ゴミの関係

プラスチックゴミとは主に、レジ袋やペットボトルなど。

私達の身近にあるものが、海に驚異を及ぼしています。

また、田中さんは、内陸県で海がない埼玉も決して他人事ではないと言います。

田中さん「ご存じのとおり、埼玉県は全国に8つしかない海なし県ですが、

水は、『水循環』という言葉が示すように『空、山、川、海』をつないでいて、

埼玉県も海と無関係ではありません。

 

埼玉県では、川の国『埼玉』として、

『清流の復活』と『安らぎと賑わいの空間創出』を目標に川の再生に取り組んできました。

 

プラスチックだけに限りませんが、

海のごみの8割は陸地、街から流れ出たものと考えられます。

 

その多くは、水の流れに乗って、水路、河川を通じて海に流れ出ることを考えれば、

川の国「埼玉」としても看過できない問題です。

また、埼玉県には700万人を超える人が住み、

大消費地「東京」を背景に、

プラスチック容器包装等の製造など関連する産業も発展しています。

その意味でも、責任のある対応が必要と考えています。」

これからの対策はー

最後に、海の環境を守るために

我々が、意識していくべきことを聞きました。

 

田中さん「水環境課では、県とともに川の再生に取り組む

『川の国応援団』として登録いただいている市民団体の方々とともに、

河川敷の清掃活動に取り組んでいます。

 

その他にも地域清掃活動団体がたくさんあり、

街中でもこの団体や商店街、地元企業の方々がごみ拾いをされています。

県では、このような方々を支援しながら、

ごみのポイ捨てがない社会、ごみのない美しい河川環境を実現していきたいと考えています。

それが、マイクロプラスチック問題、海洋プラスチックごみ問題の解決につながっていくことを信じています。

皆様のご協力をよろしくお願いいたします。」

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