海のない内陸県の埼玉県ですが、県内には海にまつわる漢字を使った地名が各地にあります。
そんな中から、今回は川越市の「仙波町(せんばまち)」の由来を紹介します。
伝説によると太古の昔、この仙波のあたりは波もたつ大きな海だったそうです。
するとそこに仙芳仙人(せんぽうせんにん)が現れ、お寺を建てようとしました。
しかし、周りは海ということで、なかなかいい場所が見つかりませんでした。
ある日のこと、仙芳仙人は竜神で海の主である老人に会いました。
そして、お寺を建てたいことを伝え、自分の衣を広げた分の土地をいただきたいと頼みました。
仙芳仙人は衣を広げるようにして投げました。
衣はどんどんと大きくなって数十里にも広がりました。
老人は驚き、仙芳仙人は自分の住む場所を残してほしいと頼む老人のために、小さい池を残しました。
このあと、仙芳仙人は土仏を作り、海に投げると瞬く間に海はしりぞいて陸地になったそうです。
伝説には信じにくい内容がありますが、調査の結果、
今から7~8千年前、東京湾は仙波周辺にまで入り込んでいたことが分かっています。
老人のために残した池は現在、「龍池」と呼ばれ弁財天がまつられています。
「仙波」の名は公園や貝塚の名前にも見られ、小仙波貝塚は川越市の指定史跡になっています。
※由来には諸説あります。
イベント名 | なし |
埼玉をこよなく愛する、埼玉専門の覆面フリーライター。実は生まれ育ちは東京。
愛車の原付バイクで県内をくまなく回り、埼玉のニッチな魅力を日々発掘!
テレビ出演多数。著書【埼玉のアナ 東上沿線 和光-川越編】。