レポート
2019.12.15

町名の由来になった井戸

水道がなかったころ、井戸は生活に欠かせないものでしたが、

埼玉県には自治体名の由来になった例があります。

今回は、そんな名前の由来になった井戸のお話です。

 

「大井戸」

埼玉県ふじみ野市は、旧上福岡市と旧大井町が合併して

2005(平成17)年10月に誕生しました。

この旧大井町の由来になったのが、ふじみ野市大井1丁目にある「大井戸」です。

1696(元禄9)年の水帳(検地の結果を記録した台帳)は、

大井戸のあった土地を「おい戸」「おいと」と記しています。

 

しかし、江戸時代に編さんされた地誌では、井戸の所在が分からなくなっていることが書かれています。

1975(昭和50)年の発掘調査では、井戸の遺構が見つかり、平安時代に造られたことも分かりました。

井戸は直径1・8メートル×1・5メートル。

現在の地表面から約3メートル下の層を掘り込んでいました。

規模は大きなものではありませんが、共同井戸として使われ、井戸の尊称としての「オ井ド」が「大井戸」に転訛(てんか)したと考えられています。

 

現在の井戸

現在の井戸は原形を復元したもので、すぐ近くまで寄って見学することができます。

ちなみに、大井戸のそばを流れる砂川堀沿いは桜の名所です。春になるとたくさんの花見客が訪れます。

イベント詳細

イベント名町名の由来になった井戸

レポーター紹介

サイタマニア イシ★バシ

埼玉をこよなく愛する、埼玉専門の覆面フリーライター。実は生まれ育ちは東京。
愛車の原付バイクで県内をくまなく回り、埼玉のニッチな魅力を日々発掘!
テレビ出演多数。著書【埼玉のアナ 東上沿線 和光-川越編】。

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