埼玉県北部で生まれ育った。
家の近くには荒川が、母校の近くには利根川が流れ…川は身近な風景だけれど、海は…残念。
幼い頃から、「あーあ、川じゃなくて海の近くに住みたかったのに」と何度思ったことか。
それにはちょっとした理由がある。
幼い頃、周りの大人たちからもらったプレゼント。 小瓶に入った星の砂、きらきらと光る宝石みたいなシーグラス、花びらのような桜貝。
そういえば、私にプレゼントをくれた大人たちは、どこの地域に行ったかでなく、「海」のお土産であることを強調していたように思う。
知らない海に夢を膨らませていた私も小学生に。
修学旅行で、江ノ島で見た海は、私の記憶で一番古い海だ。 もちろん素晴らしい景色だが、何よりも「海が本当に目の前にある」ことに感動した。
時は流れ、私も社会人に。 毎日忙しく仕事に終われる日々。 ある日ふと思った。「そうだ、海いこう。」 熊谷から電車で簡単に行ける横浜。
(上写真は、お気に入りの水城公園【行田市】)
ぼんやり眺めながら、またふと思った。
「荒川も利根川も、海につながってるよね…」 当たり前のことを忘れていた。 いや、忘れていたわけではないけれど。 川がなければ海はないじゃない? ものすごく大事だ、川。
さすがにコロナ禍は海を見に行けなかったが、荒川と利根川のおかげで救われた。 「そうだ、川いこう」と、近所の荒川をよく眺めに行った。
海だけじゃなくて、よくよく川を眺めても、なぜか元気が出た。
今年もあとわずかで終わるが、来年もただ川を、もちろん海も眺めに行きたい。
穏やかな日の川や海のように、きらきら、ゆったり、そんな新年となりますように。
FMクマガヤパーソナリティ
ちちてつ応援コンシェルジュ