かつて、埼玉県内にも生息していた貴重な淡水魚「ミヤコタナゴ」について、
今回は、官民一体となってミヤコタナゴの保全と教育に取り組む、埼玉県所沢市についてお伝えします。
所沢市にある埋蔵文化財調査センターでは、昭和58年に市内を流れる柳瀬川で発見された個体を文化庁の許可を得て、
人工授精を行い、少しずつ、数を増やしてきました。
現在は、3000匹~4000匹のミヤコタナゴを飼育しています。
センターで増えた個体は、市内の公立小中学校に配られ、児童・生徒たちが責任を持って、世話をしています。
所沢市立上山口中学校では、理科室に水槽を設置して、センターから預かったミヤコタナゴ10匹を飼育しています。
世話をしているのは、科学部の生徒たちです。
休みの日以外は、毎日エサをやったり、水温を測ったり…
このほか、ミヤコタナゴが元気に泳いでいるか、何か変わったことはないかなどを必ず観察して、記録をつけているといいます。
毎日のお世話を通して生徒たちは、今後ミヤコタナゴが数を減らさないよう、自分たちができることを考えています。
科学部の小野寺部長は「ミヤコタナゴが自然復帰できるように、地域の方々と一緒に川の清掃をすることなどが自分たちができることだと思う」。
副部長の粕谷さんは、「希少なミヤコタナゴが生息できる川を目指すためにも、外来種をこれ以上増やさないことが大切」などと話してくれました!
未来を担う、子どもたちが小さな魚を通して、川と海の環境を守ることを考えています。
いつか、ミヤコタナゴが所沢市を流れる柳瀬川で繁殖できることを願って…☆
イベント名 | 国の天然記念物ミヤコタナゴと埼玉県【後編】 |