埼玉市岩槻区に本社があるFRDジャパン。サーモンの養殖を行なっています。
現在CEOを務める十河さんもともと商社で海産物の輸入の仕事に従事していました。
世界中でサーモンの需要が増える一方、ノルウェーやチリでは海に負担をかける養殖はこれ以上広げられないということで、需要の伸びに対して生産量が追い付かなくなっていました。その影響で日本にも手軽な価格でサーモンを持って来ることが難しくなってきていました。
FRDの創業者2人が水をほとんど入れ替えずに養殖が出来るろ過システムを開発したときに、2人と出会いこのシステムを使い最小限の水でサーモンを陸上で養殖出来ればメリットがあると考え、ぜひサーモンを陸上で養殖してみたいと思い始めたそうです。
FRDジャパンが開発したのは、バクテリアを活用した独自のろ過技術による「閉鎖循環式陸上養殖システム」です。
よくある陸上養殖システムでは除去できなかった硝酸を独自のシステムで窒素ガスに変えて水から除去できるようになりました。その結果、1日20%~30%の水替えが必要だったところが、1日1%前後の水替えでサーモンが養殖出来るようになりました。それにより、冷たい水温を維持するために必要な電力が抑えられることが、「閉鎖循環式陸上養殖システム」のメリットです。
養殖したサーモンは一度も冷凍されない新鮮なサーモンは「おかそだちサーモン」というブランドで消費者に届けられます。
鮮度が良く寄生虫などの病気のリスクがほとんどない点もポイントです。
スーパー、回転ずし、ホテル等に出荷先されます。
現在、年間3500トン規模の生産量を持つ商業プラントを建設中で、2027年から生産販売を始める計画です。
サーモンの陸上養殖で世界を目指すということです。
サーモンの需要が世界的にまだまだ伸びている中で、陸上養殖という海に負担をかけない自然に優しい生産方法を日本それから海外に広げていきたいという思いを持たれているということです。