水道がなかったころ、井戸は生活に欠かせないものでしたが、
埼玉県には自治体名の由来になった例があります。
今回は、そんな名前の由来になった井戸のお話です。
埼玉県ふじみ野市は、旧上福岡市と旧大井町が合併して
2005(平成17)年10月に誕生しました。
この旧大井町の由来になったのが、ふじみ野市大井1丁目にある「大井戸」です。
1696(元禄9)年の水帳(検地の結果を記録した台帳)は、
大井戸のあった土地を「おい戸」「おいと」と記しています。
しかし、江戸時代に編さんされた地誌では、井戸の所在が分からなくなっていることが書かれています。
1975(昭和50)年の発掘調査では、井戸の遺構が見つかり、平安時代に造られたことも分かりました。
井戸は直径1・8メートル×1・5メートル。
現在の地表面から約3メートル下の層を掘り込んでいました。
規模は大きなものではありませんが、共同井戸として使われ、井戸の尊称としての「オ井ド」が「大井戸」に転訛(てんか)したと考えられています。
イベント名 | 町名の由来になった井戸 |
埼玉をこよなく愛する、埼玉専門の覆面フリーライター。実は生まれ育ちは東京。
愛車の原付バイクで県内をくまなく回り、埼玉のニッチな魅力を日々発掘!
テレビ出演多数。著書【埼玉のアナ 東上沿線 和光-川越編】。